スコットランドマップ
さてさて、シングルモルトに興味が沸きはじめてきましたか? 前回では、日本酒と同じ楽しみ方が出来るということでしたね。日本酒も好きになると佐賀の酒は甘いとか、東北や北海道のがいいとか、どこどこの蔵元が好きだとか、なるようにシングルモルトも同じなんですよ!それでは、今回のテーマに行きましょう。
シングルモルトウイスキーの産地ですが、大きな意味で言うと、誰もが思いつく、スコットランドですね。しかし、この他にも、アイルランド、ニュージーランド、アメリカ、フランス、そして日本もあげられます。でも伝統と一般的に言えば、やはり、スコットランド(スコッチ)ですよね…。
で、ここからが本題!スコットランドでの産地はどうかというと、地理的な区分で6つに分けられます。
スコットランド北のエルギンから南の地域でスペイ川流域をスペイサイド地区。ここは、一番蒸留所が集まっています。同じくスコットランドの真中より北をハイランド地区と呼びスペイサイドを除く地域。真中より南をローランド地区。スコットランド西側の像の鼻のように伸びたキンタイア半島の先をキャンベルタウン地区。その半島の西に位置する島がアイラ地区。そしてアイラを除く蒸留所のある島々をアイランズ地区と呼び、最近ではこのようにに分けられています。
ウイスキーの持つ個性で分けられているのではないのですが、はっきりとした独特の個性を持つ地区も確かにあります。
んー、なんか書いていると飲みたくなってきましたね。今回は、この辺でやめておきますか!1階のカウンターに下りて、グラスを傾けるとしましょう。
次回からは、6つの産地を一つずつ取り上げてゆきます。

BAR YAMAZAKIでアイテム数が一番多いのが、シングルモルトウイスキーです。まだまだ続く「焼酎」人気に押されて、低迷気味なウイスキーですが、その中でもシングルモルトは10年ほど前からひそかなブームが続いています。モルトファンならご存知の「ザ・マッカラン」は、今ではスナックやクラブでも飲めるようになりましたが、これはサントリーさんの宣伝効果によるものなのです。
さて、シングルモルトとは何ぞやと思ってる方に、少し説明しましょう。
※大麦麦芽を原料に、1箇所の蒸留所で造られたモルト(麦芽)ウイスキーのことです。
ウイスキーには、バーボン(アメリカ)、カナディアン(カナダ)、アイリッシュ(アイルランド)、スコッチ(スコットランド)そして、日本のウイスキーなどがあります。一般的にシングルモルトウイスキーと言うと、スコッチを指すことが多いようです。
スコットランドには、約120もの蒸留所(閉鎖された所も含む)があります。それぞれに個性があり、日本酒の地酒を楽しむのと同じように楽しむことが出来るのです。興味が沸いた方は是非、飲んでみてはいかがでしょう。

ウイスキーが飲めるようになるまでに、最低でも3年かかる。法的に決められていることでもあるが、それ以下の年数では、ウイスキーと名乗れないのである。
私達が一般的に口にするウイスキーは、だいたい8年ぐらいからで、商品として一番多いのが12年熟成物でしょう。
樽で寝かせることで色が付き、味がまろやかになって行きます。蒸留所ごとの原酒によって違いはあるのですが、12年目ぐらいが最初に落ち着く年だと言われています。
麦を育て、麦芽を作り、ピートで燻し、発酵させ、そして蒸留。出来立ての透明な液体を樽に詰める。
その樽は熟成庫に運ばれ眠りに着く。
それまでの間、人の手がいっぱいかけられ、どの蒸留所でも人の想いが注がれてウイスキーは育ってゆくのです。
造り手の物語が1本のウイスキーの中に溶け込んでいると言うことに気付いてほしいと願っているのだと思います。

今から約500年前に、アイルランドで初めてウイスキーが造られたと言われています。
その当時は、まだ樽で熟成させたものではなく、蒸留したままの透明なものが飲まれていたようです。まぁ、麦焼酎みたいなものですね。
そのウイスキー造りがスコットランドに伝わり、同じように透明なものとして、普及して行きました。
その後、イングランドと統合され、イングランドの税率で高い税金をウイスキー業者は払わないといけなくなり、そんな高い税金は払いたくないと、北部(ハイランドの山間)へ移り、密造酒として造られるようになって行きました。
密造業者たちは、高い税金を払う為にウイスキーの質を落とした業者たちと区別され、質のいい美味いウイスキーと評判になっていったのです。
そして、役人に見つからないよう、捨てられていたシェリー酒の空き樽に透明なウイスキーを入れて隠すことにしました。これが幸運にもウイスキーを熟成させ、まろやかな琥珀色のウイスキーの誕生となったのです。
その後、政府は税率を下げ、質のいいスコットランドの山間の(スペイサイド)のウイスキー業者を認め、グレンリベットが1824年政府認可1号の蒸留所となったのです。