スカイ島地図.JPGタリスカー175.JPG
前回のオーク二島からスコットランド本土の西側に南下するとスカイ島という大きな島があります。
ここには、蒸留所が一ヶ所あります。それが、ウイスキー通好みのタリスカー蒸留所で、オフィシャル物もボトラーズブランド物もたくさん瓶詰めされています。
さて今回は、タリスカーのどれを頂きましょうか・・・。

確かもう1本だけあったはずですが、まだ開いていない記念ボトルのタリスカーが・・・。
あっ、ありましたよ。これこれ、「タリスカー175th」。2005年に発売された創業175周年記念ボトルで、750ml、45.8度で瓶詰めされた物です。

では、グラスに注いでいただくことにしましょう。
おぅ、さすがタリスカーですね。パワフルでスパイシーさがあり、スモーキーフレーバーもしっかり感じることができますね。
色んなモルトウイスキーがあるがその中でも、“男らしさ”を感じるウイスキーの一つではないでしょうか。(私、個人的に好きなモルトです。)
タリスカーも昔のオールドボトルと言われている8年、12年物がすごく値上がりをしています。オークションでしか買えない物となってしまいましたが、もう一度飲んでみたいものですね。

タリスカー蒸留所は、1830年創業で、スコットランドの島々の中で一番大きな島、スカイ島に位置し、その島の名前は翼を広げたような形からきたとも言われています。そして、ケルトとバイキングが入り混じりながら歴史を築いてきたところです。

オーク二島地図.JPGスキャパ3種.JPG
前回から島ものに入りましたね。スコットランドには、本土の北から西側にかけてたくさんの島があります。その中で今回は、北にあるオーク二島のシングルモルトについてお話しましょう。
スコットランドのモルトの産地の中でも、もっとも北にあるのがここの島のハイランドパーク蒸留所です。この島には、ハイランドパークとその南西にスキャパ蒸留所があります。

さてさて、前回よりだいぶ時間が空きましたが、ウイスキーをいただきましょうか。
ハイランドパークと言いたいところですが、あえてスキャパを飲むことにしましょう。と言うのも、実は非常に珍しい「スキャパ10年(オフィシャル)」がまだ少し残っていたはず・・・。
はいはい、ありましたよ。バック棚の中に隠れるように・・・。

もちろんストレートでいただきましょう。
おっ、10年とは思えないほど、シカッリした味の中にフルーティな甘さと香りがありますね。非常にバランスのとれた美味いウイスキーだと思います。

スキャパ蒸留所は、1885年創業。バランタイン(ブレンデッド・スコッチ・ウイスキー)の味を決める7つのモルトの一つとなっている。ほとんどがブレンド用として生産されていたが、1997年から蒸留所物が飲めるようになった。

でも、10年物も、もう残りわずか。しかも入手困難でオークシャンでも中々見ることが出来ません。
また、12年に続き、14年も終売とり、新しく16年物がリリースされました。

アラン島地図.JPGアラン10年a.JPG
皆さん、お待ちかねの島物のシングルモルトにいよいよ行きたいと思います。スコットランドの西岸には、蒸留所を持つ島が5つと北岸に1つあります。
その中から、今回は、一番新しい蒸留所があるアラン島に渡ることにしましょう。
ここは、前回のキャンベルタウンがあるキンタイア半島の東にある島で、ここに蒸留所が復活したのが1995年。アイル・オブ・アラン(アラン蒸留所)という名前で創業が開始された新しい蒸留所です。

さてさて、アランのシングルモルトをいただきましょうか。確か、バック棚に10年物が少し残っていたような…。あっ、ありましたよ!
創業10周年記念ボトルですよ、これは…。
いつものごとく、グラスに注いで…。いただきます!

うん〜、島物にしては、癖がなくて、甘みがあり、バランスがいいですね…。色も適度に付いているし…。
美味いですね。スペイサイド物と間違えてしまうかもしれませんね。

アランは、熟成が早いと言われてます。半島と本土に挟まれた場所にある島で、その気候環境がそうさせているのでしょう。

そう言えば、1996年に、ここのシングルモルトの樽をひと樽お店のお客様と一緒に買いました。リフィルのシェリー樽で昨年まで熟成させ、シェリーの新樽に移し変えてあと2年熟成させて15年物で瓶詰めする予定です。
2010年の秋には、お店に届くでしょう。皆さん楽しみにお待ち下さい。

キャンベルタウン地図.JPGヘーゼルバーン8年a.JPG
シングルモルトスコッチウイスキーの地区分けも今回のキャンベルタウンで本土は最後です。後は、島物に入って行きます。
キャンベルタウンは、スコットランド西側の像の鼻のように伸びたキンタイア半島の先端の町で、現在は、ここには2つの蒸留所があり、その一つにスプリングバンク蒸留所があります。

今日は、そこを飲んでみることにしましょう。普通は、スプリングバンク10年あたりと行きたいのですが、3年ほど前に発売された、ヘーゼルバーン8年をいただきましょう。
バック棚からそのボトルを取り、グラスに注いでっと、さぁ準備ができました。
テイスティンググラスは、色や香りも充分に楽しめるからいいですよね。
8年にしては、程よい色が付いてますね、香りはややドライな感じがします。味はどうかなぁ…。ほう…、8年にしては、しっかりしてますね。喉越しは、やはりドライですね。
しかし、このヘーゼルバーンが実際に稼動してた頃の物を竹鶴政孝は飲んで勉強してたんですよねぇ…。
あっ、すみません、話しが飛んじゃって…。

ヘイゼルバーンは、もともとスプリングバンク蒸留所の隣にあったのです。
1796年の創業以来存在していたかつての蒸留所は、竹鶴政孝が修業した蒸留所の一つでもあります。
しかし、1925年にその歴史が終わってしまいました。それから約80年が経ちスプリングバンク蒸留所が復活させたのです。

自社の蒸留所内で1997年から仕込みを始められたヘーゼルバーンは、3回蒸留でピートを焚かない麦芽だけを使用しています。

ちなみに、スプリングバンク蒸留所は、主力のスプリングバンクの他に、ロングロウ(ヘビーピート)も造っていて、ヘーゼルバーンを含め3ブランドがあります。

ヘーゼルバーン、なかなか良いですね。
今宵は、竹鶴とリタ(竹鶴の妻。)の物語に浸りながら、もう一杯いただきますか。

ローランドa.JPGキンクレイスa.JPG
今回は、ローランド地区のシングルモルトを飲まなくてはなりませんが、まず、ローランドについて少しお話します。
この地区は、イングランドのすぐ北で、ブレンド業者や瓶詰工場がたくさんあり、現在でもウイスキー産業の中心的なところなのです。昔は、ハイランドに負けないくらい、たくさんの蒸留所があったのが、現在では10ヶ所しか残ってなく、その中でも稼働中の蒸留所は、オーヘントッシャン、ブラドノック、グレンキンチーの3つしかないのです。ローランド物は、ライトで口当たりも軽く、モルトの初心者にはお奨めのウイスキーです。

さぁ、ローランドのウイスキー、何を飲みましょう。と言っても今回は、6年ほど前に大阪に行った時の話をします。1泊2日の大阪、昼は吉本新喜劇を見て、その夜、飛び込みでBARに入った。バーと言うよりもパブに近い店で、そんなに広くはなく、ボトルの数も全部で50本程度、まずは、ジントニックを飲みながら数少ないボトルを眺めることに・・・。すると、あるボトルに目が留まり、高鳴る思いで、「すみません、あの一番後ろにあるボトルは、飲めるんですか?」と店員さんに言うと、「あんまり入ってないけど、いいですよ」の返事に「ストレートで下さい。」とオーダーした。それはなんと、ローランドの「キンクレイス」。ここは今では蒸留所自体も存在しない、大変貴重なウイスキーなのです。今は、ボトル1本、かるく20万円は超える代物・・・。
その店で飲んだキンクレイスは、味が落ちてしまっていました。おそらく封を切って10年以上は経っていたのでしょう。でも、1杯千円で飲めたから、文句はいえませんが・・・。
しっかり、空瓶ももらって帰りました。(写真)